
肥後朝顔 秋の展示会|小鉢本蔓仕立仕立てと9曜咲きの世界
日時:2025年9月5日(金)~9月7日(日)8:30~12:00
場所:古今伝授の間 (MAP13)
〈水前寺成趣園入園料が必要です〉
肥後朝顔の中でも、とりわけ雅やかな仕立てをご存知でしょうか?
それが「小鉢本蔓(ほんつる)作り」という、まさに風流を極めた伝統技法です。
小鉢本蔓作りとは?
この仕立ては、本蔓(主枝)を摘まずに育て、鉢の高さの3〜4倍の草丈に保つのが特徴です。
第一花は、草丈の4分の1の高さで咲かせるように調整され、草姿(草の姿かたち)と鉢、そして花との美しいバランスを追求します。
ただ花を咲かせるのではなく、全体の調和を大切にする美の文化。見る人の心を静かにゆさぶる、肥後の園芸美がここにあります。
肥後朝顔の特徴|9曜咲きや茶系の希少性
● 花の大きさと咲く位置
肥後朝顔の花は直径10~15cmと大きく、開花位置も本葉7枚目以下(約12cm)と、低い位置での開花が美とされています。
●曜数とは?多曜咲きの魅力
一般的な朝顔は花弁が5枚に裂ける「5曜(ごよう)」が基本ですが、肥後朝顔は6曜〜9曜の多曜咲きが見られます。
曜(よう)とは、花弁の裂け目の数のこと。
肥後朝顔では、曜数が多いほど高貴で格調ある花とされ、特に「9曜咲き」は極めて希少で、美の極致と称されます。
●本葉の位置と色味の奥深さ
また、本葉が鉢から外に出ないように育てるのが「品格ある姿」とされます。さらに、茶系の花色は肥後朝顔にしか見られない、貴重な色合いとして知られています。
一度は途絶えた伝統を救った人物
〜徳永据子さん〜
この肥後朝顔も、第二次世界大戦や昭和28年(1953年)の大水害により、一時は絶滅したとまで言わさんです。そんな中、品種の保存と復活に尽力したのが、徳永据子(とくなが すえこ)さんです。昭和36年(1961年)には、朝顔愛好家の集い「涼花会(りょうかかい)」が復活し、今日にまでその美しい系譜が受け継がれています。
肥後朝顔の展示会について
毎年、肥後朝顔の美しさをご覧いただける催しを開催しております。
●夏の持ち寄り会(7月)
- 開催日:7月の第1日曜日
- 場所:水前寺成趣園「古今伝授の間」
- 内容:会員による持ち寄り展示
●展示秋の展示会(9月)
- 開催日:9月の第1日曜日を最終日とする3日間
- 時間:8:30〜12:00
- 場所:水前寺成趣園「古今伝授の間」
- 入場自由、どなたでも観覧可能です
展示会の開催時間は8:30〜12:00となっておりますので、お時間にご注意の上ご来場ください。
肥後の美と心にふれて
受け継がれてきた技法と、美を大切にする心。
秋の展示会では、そんな「静かな感動」に出会えるはずです。
伝統と美を感じる肥後朝顔の世界へ、ぜひ足をお運びください。
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協力:出水神社・(公財)永青文庫・古今伝授の間 香梅
【問合せ先】
出水神社 〒862-0956 熊本市中央区水前寺公園8-1
℡ 096-383-0074